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小霜和也著「恐れながら社長マーケティングの本当の話をします。」を読んでの備忘録

小霜和也著「恐れながら社長マーケティングの本当の話をします。」を読んでの備忘録

コロナ禍の中、皆様いかがお過ごしでしょうか?当事業に関していえば、これといって影響がなく、順調にお仕事をさせていただいています。さてさて、今回紹介させていただく本はズバリ「マーケティング」。著者の方は大きな会社相手を顧客として、広告・マーケティングに関わってきた方で、マーケティングについてはもちろん、特に、「これからのマーケティングについて、すごくわかりやすく書かれていました(全て、僕とはかなり遠い位置で仕事しているなとも感じましたが)。これは、ぜひ自分の備忘録として残しておきます。

恐れながら社長マーケティングの本当の話をします。

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Overview

マーケティングが経営の重要な一角を占めるという認識が広がっています。宣伝部、マーケティング部だけでは企業のマーケティング全体を担えません。にもかかわらず、他部署と連携せず、遠慮や忖度で調整に終始してしまう。
この状況を整理できる人は残念ながら社長以外にいないんです。

Memo

  • ドラッカー「企業の目的は顧客の創造にある」。今や、企業の存在価値は、マーケティングなくしては考えられない。
  • メガネブランドのWarby Parketは実店舗ではあくまでデータ取得を目的としており、直接購入できない。あくまでネットでの購入がメイン。
  • バーガーキング「The Whopper Detour」というキャンペーンは、アプリをスマホにインストールした状態でマクドナルドに近づいてから、バーガーキングに引き返してくると通常5ドルのワッパーを1セントに値下げするという施策。ニューヨークタイムズ「1万4000件のマクドナルドの店舗をバーガーキングのレストランに変えた」と報じた。こういった施策は、宣伝部レベルではなく、経営判断による4Pの総力戦。
  • 社長中心で、「マーケティング会議」をやりましょう。
  • 社内に直感力、共有知見、データを貯める。
  • 広告クリエイターはC(評価)を嫌うため、マーケティングはPDPDになりがち。
  • 社長の本来の役割はリーダーシップを発揮することで、その分野がマーケティング領域である。
  • 初めて消費者金融からお金を借りる人が上限まで借りると、他社からはもう借りることができない(法律上)。では、初めて消費者金融でお金を借りる人は何に最も影響があるか?それは、「看板の数」。←広告はさほど影響しない。
  • 清涼自動販売機も、自販機の数では圧倒的に日本コカコーラで、2位がサントリー。缶コーヒーとかは自販機で買われることが多いので、自販機数で劣るメーカーがいくら広告で頑張っても追いつくのは無理。広告とは違うところで勝負が決していることもある。
  • 広告による影響で購入に至る流れはあいかわらず、AIDMAがメインだけど、AISASも意識しなければならなくなってきた。そして、このモヤッとしたモデルにケリをつけたのが「ファネル」。「ファネル」は広告がやるべきことだけを整理したもの。
  • 3つの「ファネル」がある。トップ・ファネルの役割はいかに広く認知してもらうか。TVCM。ミドル・ファネルは、「いかに自分にとって価値があると理解してもらうか」「自分事化」。主役はWEBCM。ボトム・ファネルの役割は「刈り取り」。主役はリスティングとリタゲバナー。この3つを設計するやり方をフルファネル化という。
  • 3年ほど前は、WEBCMのの視聴質データに基づいてオファー付きリタゲバナーを露出するのが鉄板だった。
  • 著者は、ミドル・ファネルから設計する。ターゲットのクラスターで分けるか、商品の差別性で分けるか。差別性(Unique Selling Proposition)は1つに絞る事がセオリーというのも変化しつつある。
  • フルファネル化しなくても、ミドル・ファネルで、トップとボトムの役割をある程度担ってくれる。ミドル・ファネルは明らかに成果につながるのに施策されていないのは、ミドル・ファネルを扱う部署がないから。
  • 事業を極力リスクなく成長させるための広告の鉄則は、CPAの低いところから獲っていくこと。商品あるいは、事業の成長とROIは基本的にはバーター関係にある。新しい顧客を見つけようとすると、どんどんコストがかかる。とたるCPAを見て、頭打ちになれば、今度は顧客のアクティブ化のステージに入る。
  • クリエイティブにおいて、発注側と受注側が程よくぶつかり合うのが良い。受注側の「こうしたい」と、発注側の事情や狙い、曲げられないものがあって良いクリエイティブが生まれる。
  • 18世紀ごろにGAFA以上の市場を独占していた風車を作る企業があった。しかし、産業革命で動力源が石炭・石油へ移行し、その会社はなくなった。その企業のアイデンティティを「風車を作る企業」ではなく、「農家に動力を提供する企業」と考えていたら、21世紀でも残ってたかもしれない。逆に、ルイヴィトンは、元々、木箱を作っていた。機関車が登場することで、ヴィトンは木を捨て、「トランク」を作った。自分の会社のアイデンティティを「木の性質を熟知した木箱メーカー」から「どんな交通機関でも便利・安全に荷物を運べるトランクメーカー」へと変更をした。自らのアイデンティティを動的に見直す作業がCI(Corporate Identity)作業。
  • Missionは企業の存在理由。Visionは2〜3年後の達成する目標(定期的に見直し続ける事が重要)。ValuesはVisionを達成するための「独自の価値を持つ武器」である。今後の企業のプロジェクト化において、MVVの設定はますます重要になる。
  • ブランドと顧客を結び付けるものは「Satisfaction」ではなく、「Effortless」であり、顧客満足度より、簡単で、努力させない事、イライラさせないことの方が相関性が高い。
  • カスタマーサクセスとは、事業の成功のためには顧客の成功にコミットし続けなければならないという考え方。顧客も気付いていない課題を抽出することでLTVの最大化を目指す。
  • カスタマーサクセス型のサブスクにおける4Pは、Productは「成功を売る」発想に。Placeは流通チャネルがいらなくなるケースがあり、Priceはパッケージがいらない分下がり、Promotionはターゲットインサイトをデータ分析し、クラスターごとの「成功」にコミットした内容になる。
  • ジェフ・ベゾス「狂っているレベルで、顧客にとってなくてはならない存在になる」ということを創業から考えていて、いち早く「カスタマーサクセス」という概念を取り入れた人。
  • Sansanは日本で初めて「カスタマーサクセス部」を作って、顧客が何を求めているかを常に把握することを第一と考えた。
  • これまでは戦略として、競合との優位性、差別性をどう作るかが最重要とされてきたが、疑わしくなってきた。競争というものを気にしないで、顧客がこう出てきたからこう出る、といったことを素早く動的に行うやり方が勝ち筋である。カスタマーサクセス思考。
  • どんな商品・サービスにも光と影がある。広告の「光」の部分だけ見せるというやり方は、効きにくくなってきている。情報取得経路がマルチ化し、「影」の情報はネットに溢れていて、ターゲットは常に「影」に接しているという前提に立たなければならなくなった。
  • カスタマーサクセスの思想なしで、サブスクは成立しない。従来の商品売り切り発想では、生活者に生じた価値は瞬時には固定されるが、サブスクの場合は価値が変化し続ける。
  • あるチャットサービスでは、人からAIに途中で切り替わる。離脱率を下げると同時にテキストデータを全て集める事ができるため、カスタマーサクセスに寄与できる。
  • 新しいテクノロジー×新しいビジネスモデル×新しいマーケティング思想の図式に収まり、今最も収益に繋がりそうな図式が、ターゲットインサイトをデータ化するテクノロジー×サブスクリプションモデル×カスタマーサクセス思想である。
  • SDGsで企業に問われているのは、社会課題解決を収益につなげられるビジネスモデルを作る事ができるか。そして、SDGsは「優位性」ではなく、「参加資格」になりIR(Investor Relations)を通じた発信が大切になる。(SDGsをやらない企業の商品やサービスは利用されなくなる可能性がある。)
  • ESG投資(環境・社会・ガバナンス)・・・これら3つをしっかりしている企業がこれからの投資対象だという共通指標。
  • 社会性にフィットする商品を所持したり、シェアしたりするのが「イケてる」ことになる時代は近い。
  • 創業者個人の思いに共感して買われる、成長するのも特徴的。日本でも、「ゆうこす」の化粧品ブランド「youange」、「こじはる」の「Her lip to」など、インフルエンサー型D2Cと呼ばれる。
  • 日本も含め、世界的に「Belief Driven」と呼ばれる消費者が増大。社会課題に対する企業の姿勢でそこの商品を買うか買わないかを決める人たち。生活者が感じる価値が変わってきており、ミレニアル世代・Z世代にBelief Drivenの傾向が見られる。

まとめ

この本を読んで、まずは、知らないことが多すぎる自分に気付きました。それと同時に著者目線からの社会的動向から歴史的な背景まですごく楽しませていただきました。その中で、僕自身が考えたことをまとめます。

広告のクリエイティブディレクターのセンシティブな面

マス広告のクリエイティブディレクターともなれば、こういった感覚なのかなっていうのをいっぱい感じる事ができました。中でも、ビールのCMでうなぎの蒲焼を食べていたのを、ナスの煮浸しに変更したという内容。うなぎが絶滅に危機といったニュースがあったことから、それをきっかけに炎上するリスクを回避するためだったとか。アンテナの貼り方がすごいなーと感心しました。常に社会的な関心・トレンドを追っていないとそのアンテナは貼れません。

最近では、yahoo広告でコンプレックスを煽るような表現方法に規制をかけていくという事が発表されました。TVCM、WEBCM、WEB広告でもちろんそれぞれ、規制基準があるのでしょうけど、よりいっそう広告業界自身による自浄作用が求められていくような気がします。

カスタマーサクセスを意識し、体現すること

同じCSという表記でも、カスタマーサティスファクションではなく、カスタマーサクセスの大事さを説いています。自分としてもWebの事業を通じて、たくさんの顧客と触れ合います。そして、お話を聞いている中で思わぬ課題を発見することもあります。そして、それが次のビジネスの種になるといったケースや、アイデアをいただくこともあります。もちろん、昔から顧客満足度という言葉はあり、お客様は神様だという日本独自の表現もありますが、顧客を「サクセス」させるという意識まではまだまだ行ってない企業が多いように感じます。カスタマーサクセスのためのツールも進化し続けており、よりいっそう顧客理解への分析ツールには需要がありそうな気がします。(こういうようなサービスを開発する力があればなーと思う事が多々あります。。。)このカスタマーサクセス×サブスクリプションモデルというのがマーケティングのトレンドになりつつあるということを頭に叩き込みました!

ファネルという考え方

もちろん、この著者の顧客がすごく大手の会社ばかりなのもあり、話している内容はなかなか雲の領域に近いものを感じました。僕が担当するとしても、ファネルでいうところのボトム・ファネルによるリスティング広告によるランディングページの活用・リターゲティング広告の設定留まります。まさか、ミドル・ファネル、はたまたトップ・ファネルという考え方まであるなんて思いもしませんでした。確かに、商品・サービスをスケーリングしていくことを考えるのであれば(予算がたくさんある事が大前提)、フルファネル化という思想があるだろうなーと楽しく読ませていただきました。

バリバリ広告業界・クリイエイティブディレクターとして活躍している方の書籍ということもあって、内容にどんどん引き込まれました。内容的には、社長への提言(ここでいう社長は、中小よりは大企業よりの社長へ向けたもの)でしたが、あなたが社長でなくても、広告・マーケティングに興味があれば一読することをオススメさせていただきます。

恐れながら社長マーケティングの本当の話をします。

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